Philippe le Bon…その5
- 2007/03/30
- 11:25
※ディジョンのブルゴーニュ公邸内にある、フィリップ善良公の彫像。
フランス王太子ルイがフランス国王ルイ11世として即位する栄光の場、ランス大聖堂。
しかしながらフィリップ善良公はずうずうしくもその場に乗り込み、ルイに王冠をかぶせてやるという
大役を引き受ける(奪い取る?)形になった。流石だフィリップ!面の皮が厚いぞフィリップ!
でもってルイ王太子…いや、国王ルイ11世はフィリップ善良公に今まで居候させてもらっていたこと
に対して感謝の言葉を述べる。
(TДT,, )『わたしは今まで自分を一番哀れな王子だと思っていました。
小さな頃から苦難を強いられ、乞食同然の生活の中で、夫婦ともども
宿無しの無一文だったわたしたちを5年も養ってくださいましたおじ上の、
お恵みとお慈悲がなかったらば…』
この台詞はフランス国王ルイ11世が戴冠式でマジで言ったことらしい。
これを聞いたフィリップは喜んでいたらしい。おそらく満面の笑みだったろう。
( ´-ω-`)(うむ、そうだろうそうだろう。
私がいなければきみの今の地位はなかったかもしれん。感謝するがよい)
…とフィリップ善良公は心の中で思っていたかもしれない。
流石だフィリップ!態度でかいぞフィリップ!
このランスの戴冠式でのフィリップ善良公の浮かれっぷりというのがまた奮っていた。
豪華な衣装を着た4000人の貴族やら召使いやらその他諸々の人々を従えて、フィリップ本人はというと
金銀細工の施された馬具をつけた白馬に乗り、黒いベルベットの衣を羽織ったその上にルビーがギンギラギン
に煌く羽根飾りのついた帽子といういでたち。
もちろん(多分に不本意ではあろうが)シャロレ伯も父親にお供している。
服は真紅のベルベットですよ。真っ赤ですよ。真っ赤。ポストじゃあるまいし。
( #゚∀゚)『誰がポストだって!?』
うんにゃ、何でもない。
このブルゴーニュ公とその供連れの方々のいでたちは国王なんかメじゃないくらいに豪華だったという。
民衆が『ブルゴーニュ公のほうがよっぽど王様らしいや!』と言ったほどだとか。
流石だフィリップ!ギラギラだぞフィリップ!一体何様のつもりだフィリップ!
さて、ルイを5年間居候させてやり王冠をかぶせてやったフィリップであったが。
( ´・ω・`)『一宿一飯の恩という言葉もあるが、5年も養ってやったのだ。
ルイ王太子…いや、ルイ王もブルゴーニュ公国に刃向かうなぞ考えまい』
しかしそのアテは見事に外れた。
ルイ11世は養ってもらった恩をかなぐり捨てて、いきなりブルゴーニュ公を始めとする周辺の有力貴族を
併呑しようとし始めた。アテが外れて残念だったねフィリップ!でもルイってそういう奴なんだよ!
フランス国王のこの強気な行動に、ブルゴーニュ公国内のフランス派の方々も賛同し始めた。
ルイ11世に唆された公国内のフランス派の方々の言う事を聞いてしまったフィリップは、
なんとあのアラス条約で獲得していた領土を国王に売ってしまった。
( #゚∀゚)『おいおいオヤジ、てめえついにボケたか!?なに敵に塩を送ってんだよヴォケ!!』
シャロレ伯は怒り狂ってフィリップにがなり立てる。
Σ(´・ω・`; )『しまった、あの腹黒い甥の口車に乗せられてしまったのか…』
反省して思いなおしたフィリップは、反フランス国王派で団結した貴族たちをシャロレ伯に率いさせることにした。
ということでフランス憎しのシャロレ伯は、ブルボン侯やルイ11世の弟・ベリー公シャルルと手を組んだうえ
『公益同盟』を造り上げ、フランス国王ルイ11世に立ち向かうことになったのだった。
さあどうなる公益同盟!!