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クリフォード男爵、スキップトンへ行く・1

数日かけて、クリフォード男爵は代々の男爵が居を構えているスキップトンの城にやってきた。
しかしスキップトン城に彼が生きていたころのようなたくさんの人がたむろする気配は感じられない。
眉を寄せていぶかしんだクリフォード男爵は、ひとまず着衣を整えて堂々とした足取りで城の門をくぐった。


(@へ@ )『おい、誰ぞおらぬか!出迎えはないのか!
        主人が帰ってきたぞ…ってそれがしはもう死んでいるのだったな。呼んでも来ぬのが道理か…』


玄関から廊下へ進んだクリフォード男爵だったが、相変わらず人の気配はなく誰ともすれ違わなかった。
かつて生きていたころに客人や召使い、侍女などに囲まれていた風景を目を閉じて思い起こしたクリフォード
男爵は突然の無常感に襲われたかのように立ち止まって俯いた。


(=へ= )(多分、それがしが戦死したせいで召使いも侍女たちもめいめい荷物を抱えて逃げてしまった
        のだろうな…巻きこんでしまって申し訳ない気持ちだ)


クリフォード男爵が手の甲で顔をぬぐっていると、遠くの方から人影が近づいてきた。


(@へ@ )『む、こちらへ近づいてくる…それがしの姿が見えるのか?』

( ´w`)「そのお姿はジョンぼっちゃま…!おなつかしうございます!!」

(@へ@ )『おお、そなたは父上の代からお抱えの庭師のお爺ではないか!』


庭師はクリフォード男爵の前で深々とお辞儀をしてからひざまずき、その右手をとっておいおい泣きだした。


( ´w`)「ぼっちゃまの戦死の報せを聞いて、城じゅうの人間が大騒ぎになって我先にと逃げ出しました。
      ヨークの軍勢がこちらにも追撃してくるかもしれないと、皆気が気でない様子で浮足立って。
      わしはこのとおり老い先短い身です。たとえヨーク方に虫けらのように殺されようと、ここで
      の庭師の仕事を全うしようと余生を過ごす覚悟で残ったのです。
      ハリーぼっちゃまたちが戻るまで、ここで城内の掃除や庭木の手入れをせねばと」

(@へ@;)『ん?お爺、今なんと?ハリーたちはこの城にはおらぬのか…?』


庭師は悲しげなため息をついて、肩をふるわせながらクリフォード男爵にあのフェリブリッジの戦いのあとの
ことを話し出した。


(。´w`)「フェリブリッジとタウトンでランカスター方が完敗したという報せが届いて、奥方のマルゴー
      さまはヨーク方がこの城にも攻め込んでくるやもしれぬとお思いになり、防備を固めたのです。
      しかしわしらはハリーぼっちゃまたちを守るためには、イングランド国内のどこかに隠れて
      暮らすべきとおそれながら進言したのでございます。

      それでマルゴーさまは荷物を全てまとめて、ハリーぼっちゃまとリチャードぼっちゃま、
      トマスぼっちゃま、エリザベスお嬢さまを連れて夜半にこっそりとこのお城を出てゆかれた
      のです。お姫さまや若君たちにとってはどんなにつらい旅路でしょう…」

(=へ=;)『むぅ…それがしのせいで…それがしがうっかり喉当てを外すようなことさえしなければ、
       この城に生きて帰っておったやもしれぬ。そしてマルゴーに無駄な苦労をさせることも…』


クリフォード男爵は腕を組み眉を寄せて、その場にしゃがみこんでしまった。





ェァ【クリフォード男爵、スキップトンへ行く・2】に続く

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